病後児保育って何?病後児を預かる園での保育士の心構えとは

保育園に我が子を預ける保護者にとって頭が痛いのが、子どもの体調不良。子どもの体調が心配なのは当然として、急に会社を切り上げなくてはならなかったり、代わりに子どもの世話をしてくれる人を探したりと苦労がたえません。

そんな保護者の助けになるサービスの一つ「病後児保育」を扱う施設の保育士の仕事内容や必要な心構えを紹介します。

回復中の子どもを安心して預けられるのは病後児保育があるから!

病後児保育って何?

病後児保育とは、病気やけがから回復中の段階の子どもたちを一時的に預かり面倒をみるシステムです。大人と比べて子どもの体調は変わりやすく、病気やけが自体はある程度良くなったという場合でも、また体調が悪化する可能性がありなかなか安心できません。また、大人であれば自分の体調を考慮しながら活動することができますが、子どもは自分ではわからず、ムリをしてしまうこともあります。

自分で体調を判断できない子供たちにとって、回復後すぐに健康な大勢の子どもたちと一緒に過ごすことはぶり返しなどのリスクを伴います。また、病気の後であれば体力が十分に戻っていなかったり、風邪などの場合にはほかの子供たちにうつしてしまうなどの危険もあります。そのような意味でも元気な子どもたちとは別に、落ち着いた環境で過ごすことが望ましいでしょう。保護者が家庭で見ることができる場合には良いですが、仕事などがあって、そうできない家庭も多くあります。そのようなときに保育施設で預かってもらったり、家に保育士を呼んで面倒を見てもらうことができるのが病後児保育なのです。

保育所や院内保育所で対応できる一時預かり

預かり型の病後児保育の場合、認可保育園などの施設が通常の月極保育とは別にこのようなサービスを設けている場合が多いのですが、病院などの医療施設についていることもあります。病気やけがから回復中の子どもたちを少人数で世話をし、体調などに十分配慮しながら、通常の健康な子どもとは違った落ち着いた環境や一日のスケジュールで過ごすことで体調を回復し、いつも通りの生活に戻れるようにしていきます。

月極保育とはここが違う!回復を重視した病後児保育の仕組み

室内あそびやゆったりお昼寝でムリしない

一般的な保育サービスである月極保育をしている認可保育園などでは、専用の部屋があり病後児保育も対応している場合があります。しかし、病後児保育と月極保育での健康な子どもたちとでは違った世話や対応が求められます。まず、月極保育で預かる子どもたちは、保育園に来た以上、他の健康な子どもたちと同じスケジュールでの活動が期待されます。病後の子どもの場合、健康な子どもたちと同じ一日のスケジュールで活動するのは辛いこともあるでしょう。それで、病後児保育室では室内で安静に過ごせるようなスケジュールが組まれています。無理はせず、安静に過ごせるのは安心のポイントです。

少人数で子どもと向き合える環境

また、健康な子どもたちと比べて体調の変化への注意が必要なので定員も少人数制になっています。大体5人前後の場合がほとんどで、月極保育と比べて、一人ひとりの子どもの体調の変化や疲れ具合などにも常に目が届き、しっかりと対応できる体制になっています。このように十分に目が届いた状態で、体調を見ながら世話してもらえるので、病後児にとって安心できる環境だと言えます。

ただし、病後児保育は月極保育とは異なり、あくまでも一時的なものです。病後などの理由で保育園などに通えない子どもを預かり、療養して十分に体力を回復し、通常通りに月極保育園に戻れるようにするためのものです。ですから長期的に通うものではありません。多くの病後児保育施設では入室から6日間が継続利用期間として設定されています。

病後児保育で預かってもらえるのはどんな状況の子ども?利用するためには?

病後児保育を利用するための対象となるのは、あくまでも「病後」であるということが大きなポイントになります。まだ病気の治療中である子どもの場合は病後児保育施設ではなく、病児保育に対応している施設で対応することになります。

「病後児」に当てはまる条件

具体的に「病後児」に当てはまる子どもとしては、病気の治療が終わり安定期に入っている場合や、ぜんそくなどであれば発作が収まっている状態であること、感染症であれば感染期間を過ぎていることなどが条件になります。日常的な体調不良、例えば消化不良や風邪などの場合には、急性期、つまりピークを過ぎていることが必要です。利用の条件は自治体ごとに決められており、事前にかかりつけの医師などによる病後児保育利用可能であることの診断が必要で、それを施設に提出することが求められます。また、年齢についてもそれぞれの施設ごとに対象年齢が定められています。多くの施設では生後6か月以降くらいからが対象となっているようです。ですから、利用する可能性がある場合には近くの施設の病後児保育の対象年齢を事前に確認しておくのが重要です。いつも月極保育で利用している保育園でも、一歳未満の場合、病後児保育の対象にはならないということもあり得るからです。

利用までの流れ

利用には事前の登録が必要です。施設によっては面接が必要な場合もあります。実際に利用が必要になった場合には、かかりつけの医師に自治体で決められた病後児保育の利用の許可に関する連絡票に記載してもらい、前日までに予約します。利用の予約はネットや電話でできます。当日の持ち物については月極保育とは違うこともあるので、確認が必要です。

病後児保育士になるためには何が必要?メリット・デメリットとは?

保育士資格があれば病後児を預かれる!

病後児保育の保育士になるためには、基本的には保育士の資格があれば可能です。場合によって、看護師資格でも働くことができます。病児保育に関しては、認定病児保育スペシャリストや認定病児保育専門士などの特別な民間の資格がありますが、病後児保育に関しては特にありません。しかし、そのような資格を持っていることが就職の際に有利になることはあるでしょう。

病後児保育は病児保育とは異なり、基本的には病気やけがの治療や、看病が必要なわけではありません。これは大きな違いです。しかし、健康な子どもよりも注意が必要なのは確かです。子どもの体調の変化をすぐ察知できるための観察力や、急に体調が悪化したときなどに必要な処置をとるための判断力や冷静さは必要な資質です。また、子どもたち自身も健康な時と比べて不安を感じていたり、寂しさや心細さを感じやすくなっていたりします。その点で、月極保育の保育士とは違った注意深さや細やかさが求められるでしょう。しかし、同時に心細く感じている子どもたちに安心感を与えてあげられることや、子どもの体調に不安を感じながらも仕事などに行かなければいけない保護者にとって大きな助けになるなど、やりがいの大きな仕事でもあります。

病後児を預かる保育士のメリット・デメリット

病後児保育の現場は保育士にとってもメリットがあります。、少人数での保育になるので、一人ひとりの子どもたちと信頼関係を築き、仲良くなれます。そして、体調が万全ではない子どもたちを対象にしているので、遊ぶ内容や一日のスケジュールも座ってできるものや、無理のないものになっています。この点で大人数の保育に体力的な限界や一人ひとりの子どもとの関わり方に物足りなさを感じている保育士の場合にとって、病後児保育士の仕事は大きな魅力があります。また、イベントなども少なく、残業などが少ないのもメリットです。

一方で、常に預かる子どもが変わったり、体調に気を配る必要があることをストレスに感じる保育士には向いていないかもしれません。通常クラスと違い、大人数・元気な子どもの保育業務と違うため、自身のキャリアを限定する可能性もあります。また、病後とは言え、身体が弱く免疫が弱い保育士などだと風邪などにうつる危険性もあります。

保育所内に看護師がいる場合は、看護師との関係性を良好なものにすることも必要なスキルと言えるでしょう。

保護者が助かり、保育士にとっても魅力のある職場の病後児保育室

仕事などで、子どもが万全の体調ではなくて不安に感じていても、休めないという保護者にとって、病後児保育は大きな助けです。まだまだ十分に多くはありませんが、保育施設などで提供されている病後児保育のサービスは大きな意味を持っています。

通常の月極保育とは異なり、預かる人数の面でも、スケジュールや遊びの内容でも病気やケガから回復中の子どもたちが無理をせずに体調を戻しながら、安心して過ごせるものとなっています。病後児保育室での保育士の仕事は責任も伴いますが、少人数の子どもと1日じっくり向き合えるなどのメリットも多くあります。残業や遅番対応も少ないため、子どもがいる、体力が落ちてきたなどの理由で、今までのように月極保育の保育士として働くのが難しくなってきたと感じている保育士にとっても魅力のある職場と言えるでしょう。

保育園の求人をチェックする