高年齢児を預かる保育士が気を付けることって?小学校就学までにやるべきこと3点。

保育園に通う児童のうち、60%弱が3歳~5歳の「高年齢児」の子どもになります。0歳~2歳の低年齢児時と比べると、自我が芽生え、自分の身の回りのことは自分でできる年齢です。一方、コミュニケーション力や社会性はまだ高くないため、子ども同士のトラブルが起こることも。そんな高年齢児を担当する保育士が、特に気を付けたいことをこの記事では解説します。

高年齢児保育とは

保育園における高年齢児とは、一般的に3歳~5歳までの子どものことを言います。高年齢児保育とは、小学校に入る直前の子どもまでに行う保育のこと。知育や遊びを通じて社会性を身に着けることが重要になる年齢において、トラブルなく団体生活が送れるよう、保育士によるしっかりしたサポートが必要になるのがこの世代です。

社会的背景

高年齢児保育と低年齢児保育の大きな違いは、保育士1人あたりにあずかれる子どもの数が非常に多くなること。4・5歳になれば、子ども30人につき保育士1人という、ほぼ小学校と同じような配置基準が許されます。これは、自分で身の回りことができ、集団生活が営める年代であるという証とも言えます。

年齢 配置基準
0歳 子ども3人につき保育士1人以上
1・2歳 子ども6人につき保育士1人以上
3歳 子ども20人につき保育士1人以上
4・5歳 子ども30人につき保育士1人以上

一方、この年代の子どもたちは、保育園ではなく幼稚園に通う子どももたくさんいます。以下は、平成26年に厚生労働省が発表した「保育園と幼稚園の年齢別利用者数及び割合」のデータです。

年齢 保育園 幼稚園 その他
3歳 45% 42% 13%
4歳 45% 52% 03%
5歳 45% 54% 02%

小学校では、保育園出身の子どもと、幼稚園出身の子どもが同じ教室で学び、生活することになります。保育園は「厚生労働省管轄の福祉施設」であり、「文部科学省管轄の教育施設」である幼稚園と厳密にいえば役割は異なるものの、学校で子どもたちが困らないよう、しっかりと就学準備を視野に入れ、教育的な要素を含んだ保育が必要になります。

高年齢を預かる上での注意点3点

この時期ならではの保育士が注意すべき点は、大きく分けて以下の3点です。

・自主性を生かした保育
・子ども同士の関係性
・就学に向けた準備期間

それぞれについて、詳しく見ていきます。

自主性を生かした保育

高年齢児を預かる保育士が留意するべき点の一つは、子どもたちを尊重し、自主性を生かすということです。高年齢の子どもたちは食事やトイレ、着替えなど、身の回りのことを自分でできるようになっています。一方で、たまに失敗があったり、時間がかかりすぎてしまうということもあります。その際に、子どもたちのやる気や自主性を無くさないようにしながら、手伝ってあげる必要があります。

すぐに手を出してしまうと、やってもらえるからいいやと思ってしまったり、場合によっては自尊心を傷つけられて、拗ねたり怒ってしまうこともあります。できることを評価しつつ、できていないところを直してあげたり、もっと上手に、早くできるやり方を教えてあげる必要があります。4・5歳になると基本的なことはほぼできるようになっている場合が多いですが、3歳くらいだとまだまだ学んでいる途中のことも多くあります。子どもごとに成長のペースも異なるので、確実にできることを増やしていけるように手伝ってあげましょう。

子ども同士の関係性

高年齢児になると、集団行動ができるようになってきます。3歳くらいだと一人で遊ぶことが多いながらも、「子ども自身」と「保育士」との人間関係をはっきりと認識します。4・5歳になると、保育士ではなく、子どもたち同士で一緒に遊ぶようになります。「子ども」対「子ども」の人間関係も強くなっていきます。

子どもたち同士の関係を築くうえで、集団でできる遊びやスポーツは重要な役割を果たします。高年齢児になると複数のルールも理解できるようにもなってくるので、子どもたちがみんなで楽しめる遊びやスポーツを提案してあげると良いでしょう。身体を動かすことで、体力づくりを行うことも重要です。

一方、子どもたち同士でコミュニケーションを取るようになると、けんかをしたり、自分の思うようにいかなかったときに、思わず手が出て他の子どもを泣かしてしまったりするという場面も出てきます。一つの成長の課程であるとはいえ、他の子どもが怪我をしたり、事故につながったりしないように、十分に目を配り、子どもたち同士の関係をフォローしてあげることは保育士の重要な役割の一つになります。保育補助が付くとしても、保育士の配置基準は1人で最大30人。行動範囲が広がる時期ですから、目配りスキルはとても重要です。

就学に向けた準備期間

高年齢児を預かる保育士は、必ず小学校就学をを意識しなければなりません。保育士が身の回りの世話やフォローをしてくれる保育園と違い、小学校は生徒として勉強する場所であり、身の回りのことは自分でできるのが当たり前とされます。家庭と協力して、生活に必要なことを教えていくこと必要があります。

小学校では単に身の回りのことが自分でできれば良いわけではなく、決められた時間内で終わらせることが必要になります。ですから、高年齢児になると、食事の時間、遊びの時間、片付けの時間を意識させて行わせる必要があります。子どもたちが小学校で時間に合わせて行動できるように、教育していきます。

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高年齢児の保護者が保育士に望むこと

就学を控えた子を持つ保護者にとって、やはり重要なのは小学校でスムーズに登校できるような準備をしてもらうこと。少子化の影響で、家庭で子供同士の集団生活を営むことが少ない現代において、保育園は貴重な集団生活の場です。また、保育士の工夫で、例えば「机に向かって座ること」に慣れるように、机でするお絵描きや製作などの時間を増やしたり、「授業」に慣れるように、保育士によるお話や読み聞かせの時間を増やすこといは重要です。他にも、文字を覚えられるようなゲーム、しりとりやかるた遊びなどを取り入れるなど、楽しみながら就学準備をさせられます。

一方、私立の小学校を受験させたい保護者も一定数いることでしょう。受験勉強の妨げにならないよう、保護者と連携してスケジュールを確認しておきましょう。

まとめ:高年齢児にとって、保育園は社会生活の第一歩

「保育園は、子供たちにとって初めての社会生活」とよく言われます。しつけや生活サポートがメインとなる乳幼児と違い、3歳以上の高年齢児にとって保育園はまさに社会生活そのもの。保育園内でも、小学校にはいってからも、いじめたり、いじめられたりすることがないよう、コミュニケーション力や集団生活のルールを覚えさせることが高年齢児を預かる保育士にとって重要です。また、学力をきちんと身に着けられるよう、机に向かう習慣や、体力向上を目的とした運動習慣も遊びの中できちんと身に着けられるようにしましょう。

一方、低年齢児と違い、1人の保育士は最大30名の子どもを見る必要があります。行動範囲が広くなり、園庭や公園でも元気いっぱいの子どもたちの目をはなさないようにするのはベテラン保育士でも骨が折れるもの。少し成長したとはいえ、まだ小さい子どもであることを忘れず、しっかり目配りしてあげましょう。

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