保育士資格の取り方!試験内容に受験の条件、独学や通信の勉強法も解説

保育士になるには保育士資格が必要です。しかし、保育士資格はどのようにして取得するのでしょうか。ここで解説するのは専門学校や資格試験などの保育士資格の取り方。更に受験資格や独学と通信の勉強方法など、保育士資格を取りたいと考える全ての方へ紹介します。

保育士として仕事をするには「保育士資格」が必要です

「子どもの保育」と「保護者に対して保育に関する指導」を行うための国家資格を保育士資格といいます。保育士が管理できるのは0歳から6歳までの就学前の乳幼児が対象で、保護者に代わりに体調や感情の変化にも上手に対応し生活リズムを作ってあげることが主な役割です。保育士として就業することができるのは資格保持者のみで、国家資格を持たない人は保育士とはみなされません。一度取得すれば免許のように更新する必要はないことも特徴です。

保育士資格を取得する方法は2つ

保育士資格を取得する方法はこの2通りあります。それは「学校を卒業する」もしくは「試験に合格する」という方法です。以下で取得方法を詳しくご説明します。

1. 学校を卒業する

専門学校や保育士養成施設を卒業することで保育士資格を得ることができます。メリットは学科受講によって保育教育過程を終了しているとみなされるため試験を受ける必要がないことです。資格を取得できる学校には、大学、短期大学、専門学校などがあり、養成学校など夜間通学、通信制を取り入れている所もあります。

2. 保育士試験に合格する

一定の学歴過程を経たものが1年に2回実施される保育士試験に合格することによって、資格を取得することができます。保育士試験の内容については、次の項目で詳しくご説明します。

保育士資格試験の内容

保育士試験は「筆記試験」と「実技試験」の2つを受験する必要があります。1年に2回試験が実施され、筆記試験は8科目。実技試験は選択肢3つの内の2科目を選択します。筆記8科目全科と実技2科目の通過をもって保育士試験合格となるわけです。過去の問題は全て「全国保育士養成協議会」のホームページで公開されており、問題傾向を知り受験の参考にすることができます。

筆記試験

筆記試験はマークシートによる択一式が採用されており、8教科9科目の試験は2日間に渡って実施されます。試験科目の問題数や合格基準点などを表にまとめましたのでご覧ください。
科目 問題数 満点 合格点 試験時間
1日目 1 保育の心理学 20問 100 60 60分
2 保育原理 20問 100 60 60分
3 児童家庭福祉 20問 100 60 60分
4 社会福祉 20問 100 60 60分
2日目 5 教育原理 10問 50 30 30分
6 社会的養護 10問 50 30 30分
7 子どもの保護 20問 100 60 60分
8 子どもの食と栄養 20問 100 60 60分
9 保育実習理論 20問 100 60 60分

※平成32年4月試験から「児童家庭福祉」は「子ども家庭福祉」に科目名が変更になります。

筆記試験は9科目全てを一度にクリアする必要はなく、一度合格した科目については3年間有効となるため不合格科目のみ再受験します。また幼稚園教諭免許を所持しているもしくは3年以上かつ4320時間以上の実務経験があることで、「保育の心理学」「教育原理」「保育実習理論」が免除される制度があります。

実技試験

実技試験は「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つから2分野を選択して受験します。2科目それぞれが50点満点の60%以上を満たして合格とみなされます。3分野の試験内容について表にまとめました。
音楽表現 当日指定された課題曲をピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏しながら歌う
造形表現 当日指定された「保育の一場面」を鉛筆や色鉛筆を使用して絵画で表現する
言語表現 当日提示された課題(昔話など)から選び、3歳児クラスの子どもが集中して聞けるよう工夫をしながら、3分にまとめてお話を行う

※幼稚園免許所有者であれば、筆記試験同様に免除申請をして、実技試験の免除を受けることができます。

保育士試験の実施日

保育士試験は1年に2回、前期・後期という形で実施されます。筆記試験の受験日が先行し、その2~3ヶ月後に実技試験が行われます。申し込みに関しては毎年期日が一定していませんので、「全国保育士育成協議会」のホームページであらかじめ確認しておきましょう。

保育士試験の合格率

厚生労働省の調査によると、保育士試験の合格率は平成26年度で19.3%、平成27年度では 22.8%となり平均10%~20%という結果が出ています。国家試験だけに狭い登竜門なのかと思われがちですが、この統計は9科目全ての試験に合格した人の確率を基準としているので、合格率の割合が低く表示されてしまいます。一度合格した科目は3年間有効ですので、何度でも再試験に挑むことができ、長期的な受験計画が立てやすいともいえるでしょう。

保育士試験の受験資格は最終学歴によって分かれる

保育士試験を受験するためには最終学歴によって決められた規定があります。年齢制限がないため資格をいつでも取ることができ、専門分野に精通した学歴でなくても資格はありますので、ご自身の受験資格を確認してみましょう。

大卒、短大卒、専門学校卒の場合

基本的に保育に関連しない学部や学科でも、2年以上の専修過程を卒業していれば受験資格があります。ただし学校の分類や専修期間に関わらず「教育基本法に基づいて学校制度の基本を決めた法律」において指定された教育機関でなければなりません。以上の条件に満たさない学校での修業は資格とはみとめられませんので注意が必要です。

高卒の場合

高校卒業が最終学歴の人は、1991年3月31日以前に卒業していれば受験資格が与えられます。同年4月1日以降卒業の人は「児童福祉施設での2年以上の勤務」もしくは「2880時間以上の実務経験」を持って受験資格を得ることができます。

※1996年3月31日以前に「高等学校保育科」を卒業の場合は実務経験が免除されます。

中卒の場合

最終学歴が中学校の場合は、「児童福祉法第7条によって定められた児童施設で5年以上かつ7200時間以上の実務経験」が受験資格として必要です。業務として携わった経験が全くない場合は、高校認定試験を通過し、高卒資格を取得すると実務経験条件を満たすよりも短期間で資格を得ることができます。

※「児童福祉施設」として制定された12の施設 助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター

在学中・中退の場合

現在就学中の場合、学校教育法に基づいた専修学校であれば受験資格があります。この場合試験に合格後2年以上の在学期間と62単位以上を習得することが条件で、これを満たさない場合は資格無効となってしまいます。 学校を中退している場合、学校教育法に基づいた専修学校に2年以上在学、62単位以上の習得があれば受験資格が得られます。

保育士資格を取るなら学校・独学・通信教育、どれが良いの?

保育士資格を取るために勉強をするなら、学校、独学・通信どれちがいいか悩みますよね。それぞれの特徴を紹介します。

学校を卒業する

学校で学ぶと保育士資格をあらためて受験する過程を省くだけでなく、卒業と同時に保育士資格が手に入るというメリットがあります。ただし比較的リーズナブルな専門学校でも主婦や社会人にとって余裕がないと両立は難しくなります。また専門学校によっては授業を受けても保育士試験は受験する必要があるケースもあるため、確認が必要です。学校に通うのは時間と費用をついやすことにはなりますが、幼稚園免許が同時に取得できたり、筆記や実技を充実して学ぶことができたり就業準備が早くできると言えるでしょう。

独学で学ぶ

最近では保育士試験用の参考書も充実し、独学で学習することもできます。参考書などには最新の情報が記載されていない場合もあり、法改定による試験方法の改正などは自身で情報収集が必要です。ただし「全国保育士養成協議会」ホームページでは過去の試験問題を公開し、試験に関する情報もアップされていますのでこまめにチェックすると良いでしょう。

通信教育を受ける

最近はインターネットの講座や通信教育も幅広く活用されています。自宅に居ながら学習でき、オリジナル教材や添削、質問サービスなども充実し人気があります。通信講座のメリットは何といっても柔軟性に富んだカリキュラムと最新の情報提供。試験に関する法改正などの情報公開はもとより、実技試験に特化したコースも設けているため、筆記を独学で実技を講座でという学習の仕方も効果的です。

保育園だけじゃない、保育士資格を活かせる職場 はいっぱいある

保育士資格を活かせる仕事は以外にたくさんあることをご存じでしょうか?幼稚園や保育所だけではなく資格習得によって様々な分野の職業への幅が広がります。保育士資格を活用できる職業をご紹介します。

児童福祉施設に分類されるもの

助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所・児童厚生施設・児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センターなど。

ベビーシッター

ベビーシッターの仕事に就くために保育士の資格は必要ありませんが、資格取得者は報酬単価があがりやすくメリットがあります。子育て終了後、仕事につきたいというケースに向いた働き方と言えるでしょう。

学童保育指導員

子どもの放課後の安全をサポートする仕事で、特に小学校の授業が終わった後、親が仕事を終えるまでもしくは一定時間預かるのが放課後児童支援員のメインの業務です。業務実施に特別な資格は必要ありませんが保育士資格があることで有利になる職業です。

大手企業・アミューズメント施設・病院内の託児施設

企業やアミューズメント施設、病院内の託児所など子どもと接する機会、子どもとのつながりがある業種では保育士資格は重視されます。子どもに接する機会の多いキッズ写真館やアミューズメントパーク、遊園地あるいはスキー場などレジャー施設の託児所、病院内での託児所でも活躍の場を広げることができます。

子ども服のファッション業界・子ども用品業界

子ども服の大手ブランドミキハウスや赤ちゃん本舗など、大手の企業の求人も保育士資格など子どもの育児や対応に資格を持った人材を重視する傾向があります。ファンション界に限らずおもちゃ用品を取り扱う業種や子ども用の家具や寝具の販売を手掛ける業種などにも、子どもに必要な機能性を専門知識から判断することができる能力を高く評価されます。

保育士試験は誰でも目指せて、さまざまな現場で活きる資格です!

保育士資格は学校を卒業もしくは、試験に合格して取得する2つの方法があります。一度取得すれば更新などの期限もなく、有効的に活用することができます。資格受験には年齢制限もないため、新しいキャリアのスタートに役立てることが可能と言えますね。 保育士は国家試験として敷居が高く思われがちですが、家庭で子育てをする女性なら体験をベースにすることができます。またこれから家族を持つ若い世代にとっても将来の育児知識として身に着けておくことは決して無駄ではありません。 ご自身の時間や費用、ペースに合わせてマッチした学習方法を選択し、計画性を持って取り掛かってみましょう。生涯を通して価値のある資格ですので、この機会にぜひトライしてみてはいかがでしょうか?