保育士と幼稚園教諭の違いとは?資格や働き方、転職時に求められる適性の違い

同じように子どもたちと触れ合う仕事である保育士と幼稚園教諭ですが、資格取得の方法から仕事内容、働き方には大きな違いがあります。今回はその点をお伝えしていきたいと思います。

保育士と幼稚園教諭の違いは保育園と幼稚園の違い!

保育士と幼稚園教諭、その違いを知るのに役立つのが、働く場所となる保育園と幼稚園の役割の違いです。保育園の役割は子どもたちが元気に成長できるようにすることです。快適に過ごせるように世話し、社会性や生活習慣を身に着けられるように手伝っていきます。そのためにはもちろん保護者との協力も欠かせません。このような役割から保育園は児童「福祉」施設と呼ばれ、国民生活の向上などを仕事とする厚生労働省の管轄となっています。

一方で幼稚園は学校「教育」施設に区分され、子どもの教育に重きが置かれています。教育と言っても、学力を身に着けるような教育でなく、今後の教育を延ばす心身の発達、つまり運動能力や芸術的な感性を延ばすことを目指しています。このような役割から、管轄も文部科学省となっています。

しかし、最近はその違いが曖昧になってきています。保育園でも、教育を施すことを理念とするところがあったり、幼稚園であっても、のびのびと子どもの成長を見守る方針のところがあったりします。福祉と教育の両方の役割を合わせた施設とするべきという考え方が増えてきており、保育園と幼稚園を合わせた「認定こども園」という施設もできています。

両方持っていた方が有利?!保育士の資格と幼稚園教諭の免許

保育士と幼稚園教諭では資格も違うものです。厳密に言うと、保育士に必要なのは「資格」幼稚園教諭になるため必要なのは資格ではなく「免許」です。幼稚園教諭の免許状には一種と二種がありますが、一種は4年制大学、二種は短大の課程を修了することによって取得することができます。さらに、大学卒業後に大学院の修士課程や専攻科でさらに学ぶことにより得られる専修免許状というものもあります。二種の免許状の場合、このように大学などで幼稚園教諭養成課程を修了する方法以外にも、すでに保育士資格を持っている場合には、実務経験を3年以上積むことによって、幼稚園教諭資格認定試験を受けることができるようになり、その試験に合格することによって免許状を取得するということもできます。

保育士の資格は、保育士養成コースなどのある学校で必要な課程を修了することによって資格を取得する方法と、国家試験である保育士試験に合格する方法の2つがあります。幼稚園教諭の免許を持っている場合には一部の筆記試験科目や実技試験などが免除されます。

保育士資格を有する方が、幼稚園教諭免許状を取得する場合
指定施設で保育士として「3年以上、かつ4320時間以上」の実務経験(見込み)がある 大学を卒業している(一種) 5科目8単位を取得後、都道府県教育委員会に免許状の申請が可能
高校を卒業している(二種)
幼稚園教諭免許状を有する方が、保育士資格を取得する場合
指定施設で幼稚園教諭として「3年以上、かつ4320時間以上」の実務経験(見込み)がある 4科目8単位を取得後、都道府県教育委員会に免許状の申請が可能

大学や短大、専門学校なども両方取得できるところがあるので、最近の多くの学生は、保育士資格と幼稚園教諭の免状を両方取得することが多くなっています。最近増えている認定こども園などでは両方の資格が求められるので、両方持っていることは就職や転職の際の大きな強みになるでしょう。

保育士と幼稚園教諭の役割期待と仕事内容

保育士と幼稚園教諭の仕事内容の違いも見ていきましょう。預かる子どもの人数や年齢により、仕事内容にも違いが生じます。

保育施設では0歳の子どもから預かることができるため、おむつ替えや抱っこなどが欠かせません。また、食事や排せつなどの生きていくための基本的なことから教えていくことになります。子どもたちが成長と共にできることが増えていくのを見ることは大きなやりがいとなるでしょう。保育園で預かることのできる子どもの人数は年齢によって決まっています。0歳であれば3人につき一人の保育士が配置基準となっています。幼稚園の対象年齢にもなる3歳であれば20人、4,5歳であれば30人に一人の保育士が配置基準です。ですから1クラスに一人の保育士というわけではありません。

それに対して、満3歳以上が対象年齢となっている幼稚園では、35人で1クラスとなっており、基本的に一人でクラスを受け持つことになります。子どもたちにが楽しく遊びながらも様々なことを学ぶようなカリキュラムを考えていくのは幼稚園教諭の醍醐味だと言えるでしょう。

子どもを預かる時間が違うから、働き方にも違いがある!

保育施設は、保護者の事情により、代わりの保育が必要だと認められた場合に利用できる、つまり保護者が働いている間に預かるという施設という側面があるため、幼稚園に比べて保育時間が長くなっています。保育園の立地により異なりますが、通常7時から19時くらいまで子どもを預かることになります。延長保育のある保育施設では、さらに長い時間子どもを預かることになります。ですから保育士はシフト制で早番や中番、遅番などの形で勤務することになります。また休日に関しては、保育所自体は月土で開いているため、平日が休みになることもあります。

幼稚園は、教育施設なので、基本的には9時から14時までが子どもを預かっている時間となっています。ですから、多くの幼稚園教諭は8時から17時くらいが定時です。しかし最近では時間外保育を行っているところも多くあり、さらに早い時間の出社や、遅くまで勤務の場合もあります。また、イベント前などでは準備などのために残業などの場合もあります。幼稚園は土日が休日のため、そこで働く幼稚園教諭の休日も基本は土日になります。

保育士と幼稚園教諭の給与の違いは?

保育士と幼稚園教諭の給料の違いに関しては、一概にどちらが安いと言えません。それぞれの保育施設や幼稚園の経営状態、地域による手当の違いにより給料にも差がでます。統計的には幼稚園教諭の方が多少、多くなっています。平均年収にして10万円程度の違いです。しかし、待機児童問題の解消のために、保育士の待遇改善は大きな課題となっており、政府から2017年には月給を6000円程度上げるという方針が出されています。今後この差はなくなっていくかもしれません。

もう一つのポイントなるのが、公立か私立かという点です。公立の施設で働く幼稚園教諭や、保育士の場合には公務員になるので両者で給料の違いはそれほどありません。公務員なので、安定した収入を得られるということはあります。しかし、必ずしも公立が給料が高いというわけではありません。私立の施設の中には人気が高く、公立の施設以上に給料が高いというところもあります。地域の状況をまず知ることも重要になってくるでしょう。

幼保間の転職は可能?面接の際にアピールすべきポイント

初めにお伝えしたように、幼稚園と保育施設では本来は役割に違いがあります。ですから求められる適性にも違いがあります。幼稚園教諭の場合、子どもたちの教育という観点も重要になっており、基本的に1クラスを自分一人で任せられるため、責任感や企画力が欠かせないでしょう。

保育士の場合、開園時間が長いため、担任であったとしても自分以外の保育士に子どもたちを任せる時間が発生します。他の保育士たちと協力していく場面が多くなります。特に低年齢児を預かる場合は家庭の保育をフォローする役割もあるので、保護者との良いコミュニケーションも必要になります。また、子どもたちに基本的な生活習慣を教えることも重要な役割なので、一人ひとりの子どもたちの細かな成長に深く関わっていくでしょう。

最近では幼保一元化も進められており、両方の施設を合わせた役割を担う認定こども園のような施設や、幼稚園でありながら保育施設のような施設や、保育施設でありながら、教育の充実を目指すところなども出てきています。ですから、就職や転職の際には、希望する施設の特徴や、他の施設との違いをしっかり調べたうえで、自分の経験の活きる部分や、自分が挑戦していきたい分野などを明確にすることが面接の際の大きなポイントとなるでしょう。特に幼⇔保間の転職の場合には、ネガティブにならず、転職を思い立った積極的な理由や保育(教育)理念への共感を挙げることがポイントになります。

保育士と幼稚園教諭の資格は両方取得がおすすめ!キャリアの幅を広げよう!

このように、保育士と幼稚園教諭の仕事には共通点も多くあるものの、細かな違いがあります。どちらが良いかというのは、自分の目指す子どもとの関わり方、働き方で変わってくるでしょう。政府には待機児童問題の解消のために、その差を小さくしていこうという動きがあります。ですから、重要なのは保育士、幼稚園教諭という名称にこだわらずに、自分に合った施設を見つけることです。

そのためにも、保育士と幼稚園教諭両方の資格を持っていることは大きな強みになります。これから資格を取ることを考えているのであれば、両方の資格が取れる学校を選ぶのがおすすめです。今片方の資格を持っているのであれば、優遇措置を利用し、もう一方の資格を取っておくなら、今後の政策による制度変化にも対応することができますし、就職や転職の際に有利になるでしょう。 保育園の求人をチェックする